【違い】台湾の中国語と中国の中国語

2019年10月30日

台湾の中国語と中国の中国語はいろいろと違う部分が多いということは今までも紹介してきましたが、今回は私自身が経験したことを基に中国語の勉強について考えてみたいと思います。

台湾で中国語を勉強しても意味がない!?

これはよく言われます。

特に大学の第二外国語で勉強した程度の中国語学習者から言われることが多いです。

そういう人種の持論は


1.中国は13億、台湾は2000万人。台湾の中国語ができても仕方ない

2.発音が悪い。なまりがある。

3.文字が違う。簡体字がわからない、書けない

4.HSKや中国語検定は中国の中国語。台湾の中国語とは違う。

他にもあるようですが、大体こんなところが多いようです。こういう人種の考え方も一理あるのですが、だからと言って100%正しいとも思えません。よくあるイギリス英語を勉強した人がアメリカ英語やオーストラリア英語を勉強した人を馬鹿にするのと変わらないとしか思えません。

なので、私なりの考え方を書いてみたいと思います。

1.中国は13億、台湾は2000万人。台湾の中国語ができても仕方ない

台湾の中国語はたしかに中国の中国語とは違います。それを言うなら、中国でも北方の人と南方の人では単語や発音、四声も違ったりすることを知らないのですか?と言いたい。

大体、私レベルの台湾なまりの中国語でも中国へ行って会話ではそんなに通じないということはない。多少発音が違うこともありますが、コミュニケーションがまったく取れないってことはなかったです。

ということは、台湾で中国語会話力が身に付いていれば中国で多少のアジャストをすれば問題なく通じるということだと思います。

2.発音が悪い?なまりがある?

1とも被りますが、発音、なまりについては中国大陸内でもかなりあります。中国人は全員なまりのない綺麗な発音の中国語を話すなんてことはまったくありません。

日本でも自分は標準語をしゃべっていると思っていても実はなまっていた。なんてよくあるでしょ?

広くて人口の多い中国ではとても顕著で、本当に北京語と呼ばれる綺麗な中国語を話す中国人は北京の人くらいのようで、他の地域の人はそういう職業でもない限り多少のなまりがあるのが普通です。

北京の人は自分の話す言葉を普通語とか北京語とか中国語とは言わない人に多く出会いました。自分たちの話す言葉を漢文と言って、北京人以外の人が話す普通語とは違うというように他地域の人を馬鹿にするようなことを言う人もいます。そういう北京人からすれば台湾人も含めて他の地域の人は全員なまっていると思ってるようです。

なので、台湾だから発音が悪くてなまりがあるわけではないということです。

中国語で「台灣腔」というのは確かにありますが、認識できる程度の差でしかありません。

3.文字が違う。簡体字がわからない?書けない?

これもよく言われますね。

確かに違います。でもどちらが難しいか考えれば答えは簡単です。

繁体字で勉強してから簡体字を覚えるのはそれほど難しくない。実際、私のまわりの台湾人で中国で仕事をしている人が数多く存在しますが、簡体字で苦労したなんて話はまったくないです。

簡体字なんてちょっとやればすぐ覚えられるくらい簡単。って言います。

そりゃそうですよね、繁体字が難しすぎて簡体字ができた経緯があるのですから、難しい繁体字ができる人からしたら簡体字なんて簡単。あたりまえ。

(私にとっては簡体字が簡単なんてことはまったくありませんが・・・)

じゃあ、逆に考えてみます。簡体字しか勉強していなかった人が繁体字を読めるようになるのは簡単ですか?

中国!中国!人口13億!とか言いますが、簡体字で表示される国は中国だけです。

その他の国。台湾をはじめに香港、シンガポール、タイ、アメリカ、日本の中華街。華僑の使っている中国語は繁体字です。この国々の漢字は読めないということになりませんか?

そう考えると繁体字を習得してから簡体字を覚えることは、逆よりやさしいと言えないですか?

4.HSKや中国語検定は中国の中国語。台湾の中国語とは違う。

これもよく言われますね。台湾で勉強してもHSKや中国語検定はできないと。

でもなぜHSKや中国語検定が必要なんでしょうか?資格をアピールする理由って就職とかですか?

なら、台湾にもTOCFLという台湾華語検定があります。

こちらの検定試験の内容はそう簡単なものではないですよ。詳細はわからないですが、HSKの6級が受かってもTOCFLのC2は受からないことがあるだとか。

どっちのレベルが高いとか低いとか較べるのは意味がないことで、資格なんて中国語を勉強してきましたって証明と結果に過ぎないのですから、HSKでもTOCFLでも中国語検定でもあればいいんじゃないですか?

HSKや中国語検定しか中国語の能力として認めないなんて言ってる企業なんてあまり聞きませんし、あったとしてもごく少数だと思います。

HSKや中国語検定もあったらあったでいいですけど、本当に大切なのは資格ではなく実力なのでは?

色々ある台湾と中国の単語違い

ちょっと調べてみると単語の違いって相当ありますね。ざっと書いてみますが、面白いですね。

日本語、中国語の中国語、台湾の中国語の並びです。

・メッセージ 短信 簡訊
・USBメモリ U盤 隨身碟
・ブログ 博客 部落格
・ブロガー 博主 部落客
・一眼レフカメラ 単反相機 單眼相機
・ヨーグルト 酸奶 優酪乳(優格)
・ソフトウェア 软件 軟體
・プリンター 打印机 印表機(列印機)
・インターネット 网络 網路
・プログラム 程序 程式
・デジタルカメラ 数码相机 數位相機
・タクシー 出租车 計程車
・インスタント麺 方便麺 泡麺
・バス 公共汽车 公車
・自転車  自行车 脚踏車

などなどです。

よく友達に「あとで連絡するね」とか言いますよね?

台湾では「連絡」と言う言葉を用いますが、中国人には「联系」と言わなければいけないとか、色々ありますが本当にそんなことは多少の違いです。

最初は「え?」とかなりますが、わからなければ聞けばいいことですし、相手がわからなかったら説明すればいいだけです。

まとめ

結局、中国の中国語でも台湾の中国語でもどっちが良いとか悪いとかはありません。そんなことを言ってくる方がナンセンスです。

台湾で中国語を勉強しはじめた方の大多数は中国語が好きで勉強しはじめたのではなく、私のようにそもそも台湾が好きだという方がほとんどだと思うのです。

なので、中国で通じるかどうかなんて意味がなく、ハッキリ言ってどうでもいいです。中国の中国語じゃないとと思う方は中国へ行けばいいのです。私は観光では行きますが、住むのにはまったく興味がありませんので。

そうです、台湾で通じればそれでいいのです。だから今は中国語より台湾語を勉強したいなって思ってるくらいですからね。

結論:自分にとって必要なものを習得するのが一番。